「東洋経済」に『21世紀の資本論』を書いたトマ・ピケティの
インタビューが載っていた。
ピケティは3世紀に亘る「所得と資産の歴史」を徹底的に
データで分析し、資本主義というものは放っておくと、
経済成長率よりも資本収益率が高くなり、資本を持つ者にさらに
資本が蓄積していくことを証明したのだ。
つまり新自由主義の下では、格差が拡大し続けるのは当然。
アベノミクスで言えば、余裕で株を運用できる1%の富裕層だけに、
ひたすら富が集中するのであり、貧困層はひたすら拡大していく。
金融の規制緩和によって、富裕層ばかりが高い利益を売るから、
国の総資産に占める、中間層が保有する資産の割合は減っていく。
中間層は明日にでも貧困に落ちる確率が高い。
中間層の人間なんて、病気一つで貧困層へ、リストラ一発で貧困層
に転落する。
そうなるともう貧困層の世襲になるだけだ。
格差社会の不平等は世襲によってさらに拡大する。
日本の場合、1970年から2010年までの期間で、国民所得に対する
民間資本の割合が、戦後の約3倍から、現在では6倍から7倍に
なっている。
つまり経済成長がスローな国ほど、資産の蓄積がより大きくなる。
貧困層は教育環境の劣化によって、ネトウヨにしかなれない。
権力に騙されるばかりの貧困層が増えて、富裕層による富裕層の
ための政治になるから、民主主義自体が機能しなくなる。
学者が証明してくれるのはありがたいが、小泉政権のときから、
わかってたことではある。
安倍政権になって、アベノミクスで景気回復と、マスコミは
政府とグルになって、デマを流してきたが、実質賃金が
13か月連続で前年同月を下回って、円安誘導したのに、
貿易赤字が7月まで25か月も続いているという惨状だ。
政府もマスコミも誤魔化し続けているが、今の景気の鈍すぎる
ジレンマの状態は、消費増税の影響だけではない。
安倍・黒田の目先の株価のための金融緩和は、全く無意味で、
無駄な公共投資で下支えしてるうちに、また維持費だけが嵩む
インフラが残骸のように残っているとニュースになる日が
来るだろう。膨大な国の借金と共に。